会社からの帰り道。
停電のため信号が消えている道路を慎重に運転しながらも、頭の中では自宅の様子が気になって仕方がありません。
きっとテレビは倒れているだろうな。食器棚のお皿やグラスが飛び出して割れているかもしれない。そもそもマンションは大丈夫なんだろうか…。いろいろなことが頭をよぎります。
幸いマンションは無事でした。少なくともそう見えます。近くに寄ってみると壁のペンキがはがれているところなんかがあるけれど、大きな被害はなさそう。
恐る恐る部屋の中へ足を踏み入れてみると…。
テレビは無事でしたがもっと大きなものが転倒していました。それは大のお気に入りのサイドボード。
高さ70cmくらいないのに、なんでこんな倒れ方…。後ろの足が2本折れています。中に大切にしまっていた頂き物のバカラが割れてしまいました。
キッチンはこんな具合。
これまた背の低い食器棚が前に移動し、上に乗せていた電子レンジが前面に、炊飯器は背面に落下していました。足の踏み場がないとはまさにこのこと。お誕生日プレゼントにいただいた鍋が割れているのが目に入り、気持ちがいよいよ落ちていきました。
そうはいっても、落ち込んでいる時間はありません。
被害のほとんどなかったわたしの実家に避難することになっていたからです。
まだ日が沈みきらないうちに、わたしと夫の分の当座の荷造りをしないといけません。
風を通さない温かい服、下着と靴下、靴底の厚いスニーカー、ラジオと懐中電灯、ありったけのエネループ、カイロ、調理しないでも食べられるもの…。
必要と思われるものをリュックサックに詰めて、あとは夫の帰りを待つばかり。
いよいよ日が暮れてきて、不安な気持ちが募ってきます。
余震が怖くて玄関のドアを開けたままにしていたので、外の音や人の動きが分かります。
うちのマンションの向かい側に町内会の集会場があり、近所の人がぞろぞろ集まってきているのが見えました。人が動いている様子を見ると、なぜか自分にも活力が沸いてくるから不思議です。会ったこともない人たちなのに…。人間が生きるために行動しているのを、本能で感じ取っているのでしょうか。
とにかく動き出さないと!
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